明治10年に創業し「粉奈商」と呼ばれたころから商いを続けています。
創業当時は(旧清川町)にある清川用水で水車を回し、その動力で石臼を回していました。
弊社の工場では、このころの石臼を使って、今でもそば粉を挽いています。
石臼は手入れに手間がかかるうえ、1kgのそば粉を挽くのに約1時間を要します。
それでも、私たちが石臼挽きを基本とするのには 理由があります。
福井県福井市(旧美山町)には、この地方、小和清水(こわしょうず)の山でのみ採掘される石材(通称:小和清水石)があります。材質は今から1億数千万年前に堆積した花こう質の砂岩です。小和清水石は硬いのですが、粒子が細かく均質なので、この石でつくった石臼は欠けにくく重量もあります。そのため、福井県産の小粒で固く実の詰まった玄そばを挽くには最適の石なのです。
山から切り出した石を、すぐに石臼として加工はできません。採石して間もない石臼で製粉すると、石自体に歪みが生じて噛み合わなくなります。石臼同士が擂り合ってしまい、せっかくの臼が目減りしてしまいます。
私たちの石臼は、切り出してから簡易形成して最低20年寝かせ、再度形成、目立てを施してから石臼にしています。何十年もかけて石の歪みを出し切らせる「時間」が必要なのです。カガセイフンの「越前そば粉」は20年以上の思いを込めてお客様に挽き立てをお届けしています。